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Amazon.co.jp:バグダッド・カフェ
 この映画を知ったきっかけは、歌からだった。
 ホリー・コールが切なく歌い上げる "Calling you" (コーリング・ユー)。
 出会ったのはもう5年ほど前にもなるだろうか。知人の勧めでホリー・コールのアルバムを買い、そこで初めてこれが映画「バグダッド・カフェ」の主題歌であり、カバーされて広く歌われていることを知ったのだった。
 ずっと見たいと思っていた映画。それを今回、やっと見ることができた。

 A desert road from Vegas to nowhere
 Some place better than where you've been
 (ベガスからの砂漠の道はどこへも続かない
 どこかほかにましなところはないものか)

 一面の黄色い砂漠と青い空をバックに、流れ出す "Calling you" の歌声。
 唐突に始まる別れのシーン。
 女は車から降りて荷物を取り出し、叩きつけるようにトランクを閉める。
 男はしまりの悪いトランクをどうにか紐でくくり、車で走り出す。
 砂漠を歩く女。

 A coffee machine that needs some fixin'
 In the cafe just around the bend
 (壊れかかったコーヒーマシーン
 道の曲がり角にある小さなカフェ)

 小さなカフェ「バグダッド・カフェ」でも、別れがあった。
 そして出会い。女と女が、男と女が、女と何かが、出会った。

 I am calling you
 I am calling you
 (私はあなたを呼んでいる)

 物語は淡々と進む。
 大きな山場があるわけではない。
 けれど、砂漠の砂が少しずつ積もるように、少しずつ、少しずつ、何かが変わっていく。
 急激な変化を求める人や、感動を求める人ならば、つまらないと感じるかもしれない。
 「見せ場」を期待するなら、見ないほうがいいだろう。

 小さな別れと出会いとを繰り返して、人は変わっていく。
 ほんの少しだけ、心のどこかがあたたかくなった。そして、たぶんそれでいい。

 (引用:"CALLING YOU" BOB TELSON)


●冒頭のホリー・コールの歌について
Amazon.co.jp:コーリング・ユー/ホリー・コール・トリオ
 映画の歌は彼女ではないです。これはカヴァー曲。
 HOLLY COLE TRIO はホリー・コールをボーカルとし、ピアノのアーロン・デイヴィス、ストリング・ベースのデヴィット・ビルチのトリオです。主にジャズナンバーを歌っているトリオですが、このアルバム「コーリング・ユー」はポップス色が強め。
 しかしお気に入りの一枚です。「コーリング・ユー」のほか、「スマイル」もいい。

●映画で流れているオリジナルの「コーリング・ユー」を歌うのは、ジェヴェッタ・スティール。こちらも透明感があって、ホリー・コールのものよりはあっさり目だけれどステキ。
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2006.04.15 | Movie: 映画  
● BUS174
Amazon.co.jp:BUS174
 BUS174とは、ブラジルのリオデジャネイロ郊外を走る174号系統バスのことである。
 2000年、リオデジャネイロでこの174号系統バスを乗っ取るバスジャック事件が起きた。乗客11人を人質にしてバスに立てこもった犯人は、ストリート・チルドレンとして育ってきた経歴を持つ。
 実際のニュース映像と犯人にかかわる人々へのインタビューを交えながら、「バスジャック事件」およびその根底にある「ストリート・チルドレン」について追跡した社会派ドキュメンタリー。

 犯人の青年、サンドロの生い立ちは凄惨なものがある。
 そして、悲しいことにブラジルでは彼だけがそのような状況ではない。「ストリート・チルドレン」と呼ばれる子供たちは、幼少期に親を失い、あるいは親に暴力を振るわれて家を飛び出し、家なき子となって路上で暮らしている。ユニセフによればその総数は、世界全体でおよそ3000万人から1億人であろうということだ。
 マスコミも警察も政府も、彼らのことを表に出したがらない。まさに「臭いものには蓋をしろ」で、社会の暗部たる子供たちは「姿なきもの」として存在を抹殺されている。
 ただ暴力のない暖かい家と、家族と、その日の食べものがあればいいだけなのに!サンドロを含むストリート・チルドレンの子供たちの叫びは、誰にも聞こえなかったのだ。

 なぜサンドロがバスジャック事件を起こしたのか?
 その根底にあるものは何か?
 ここで語ることはできない。ただ、見て何かを感じてほしい。

 映画は全編ポルトガル語で、日本語の字幕がついている。日本語の音声選択はできないので、字幕に慣れない人にとっては字幕を追うのが難しいかもしれないが、ぜひ生の声としてのポルトガル語を聞いてもらいたい。
2006.04.13 | Movie: 映画  
Amazon.co.jp:ヒトラー ~最期の12日間~
 ヒトラーの秘書をしていた女性の手記をもとに、作られた映画。

 ナチスの総統としての偶像的な独裁者ヒトラーではなく、ひとりの人間としてのヒトラーがそこにはいる。
 「ヒトラー ~最期の12日間~」と銘打ってはいるものの、ここではヒトラーは登場人物の……ただの人間のひとりにすぎない。第二次世界大戦という舞台の上で、ヒトラーと、彼をとりまく人間と、その関係、そして大戦の終結までのそれぞれの生き様を描き出すことでこの映画は成り立っている。

 日本語のタイトルだけを頼りに見ると、裏切られたと感じるかもしれない。
 舞台は、ヒトラー一人だけのものではない。

 人間は多様な側面を持っており、一人の人間に対する誰かの見方が、他の誰かと食い違っているということはよくあることだ。
 ナチスドイツの独裁者として恐れられており、いまやほとんど偶像とすら言える「ヒトラー」であるが、彼をとりまく人々の内面、ヒトラーに対する思い、関係性、そういったものを映し出すことで浮かび上がるヒトラー像は、皮肉にも「人間」だった。
 彼ばかりではない。戦争という舞台の上で、誰もがそれぞれの思いを、悲しみや怒りや哀れみや狂気を、抱えて生き、あるいは逝った。

 終焉とともに、ただ静けさだけが残る。
 しかしその静けさは、同時に次の時代へと息を潜める何か、の存在も感じさせるのだ。
2006.04.12 | Movie: 映画  
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