POOL
プロフィール
Kumiko
Author:Kumiko
猫になりたい。
くわしいことはinfo
検索
ブログ内でさがす

Amazon内でさがす

さがしものはなんですか?
FC2 blog
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | スポンサー広告  
森鴎外と美術
 1ヶ月ほど前、滋賀県立近代美術館にイサム・ノグチ展を見にいきました。
 美術館に行くといつも、今どんなおもしろい展示をやっているんだろうとチェックするのが常で、そのとき見つけたのが和歌の浦アート・キューブでやっている「ホスピタル・アートってなあ~に?」という展示のチラシ。おもしろそうだな、でもこのためだけに和歌山に行くのもなと悩んでいたおり、友だちが「良かったよ」と言っていたのがこの「森鴎外と美術」展。調べてみればちょうど和歌山県立近代美術館でやっている、これはもう和歌山に行くしかないと決めたのが数日前の話で。
 これが、森鴎外を軸にして近代日本の洋画や書籍の挿画、彫刻をテーマに沿って展開させるすてきな展示でした。
近代日本の美術、あなどれません。
 明治時代、西洋では浮世絵などのジャポニズムに席巻されていたころ、洋画を描く人たちと親交を深め、彼らを後押しした森鴎外。そして西洋に留学して絵画を学んだ日本の画学生たち。
 新しい時代―「文明開化」がもたらされ、それまでの価値観や生活スタイルがじょじょに変化してゆき、戸惑いながらもそれを受け入れて自分のものにしていこうという真摯さが作品たちから伝わってきます。
 なかでも、目を引くのが原田直次郎と黒田清輝の絵。
 日本の洋画家・画学生たちの絵には、たいていどこかしらストイックに対象と向き合おうとする姿勢が感じられて好印象なのですが、とりわけ原田直次郎は色づかいと構図のセンスがいいと感じました。
 とくに目玉となっている「靴屋の阿爺」を含めた、老人を描いた絵がいい。描かれた人物の重ねてきた歳月までもが一筆にこめられているかのようで、気迫。影がじつにうまく表現されていて、光とのバランス、色づかい、それらが空気を感じさせる絵でした。
 黒田清輝はどこかしら日本人離れした奔放さのある絵が展示されており、昔に教科書で見た絵とはまた違った趣があります。
 このふたりだけではなく、はっと目を引くものが散見され、近代日本の洋画に対して過渡期にあるものたちの葛藤や遠慮や期待や意気込みみたいな、いろんなものを感じてすごく刺激を受けました。鴎外晩年に交友のあった若い画家の絵も必見。
 また、医者であった鴎外と美術のかかわり、軍医として、博物館館長としての鴎外の姿など、その当時の息づかいが聞こえてきそうな気すらします。
 いままで和歌山のあたりなどは気にしたことがありませんでしたが、良い展示をする、と感銘をうけて「森鴎外と美術」展を出ました。

【森鴎外と美術】
 2006年9月10日(日)~10月22日(日)
 和歌山県立近代美術館
 入場時間:10時~17時(入館は16:30まで)
 休館日:毎週月曜日
 (ただし9月18日と10月9日は開館し、翌日が休館)
2006.09.23 | Art: 芸術  
上に戻る
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。