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応挙と芦雪
 せんだって、京都の国立近代美術館で開催されていた(そして今も開催中の)「プライスコレクション-若冲と江戸絵画展」を見てきたときから、長沢芦雪の描くものがどうも気になっていた。
 「応挙と芦雪」のことはプライスコレクションを見る前から知っていたけれど、じっさいにダイナミックでいてどこか愛嬌のある芦雪の絵を見てからというもの、この展示会に行く機会を虎視眈々と狙っていたのだった。
 その機会がおとずれ、澄んだ青空のもとJRと近鉄をのりついで、一路、奈良へ。日中は汗ばむほどの陽気にめぐまれ、駅から降り立ったときには緑の光がひろがり、まぶしい気持ち。奈良県立美術館は、奈良公園も近く緑に囲まれた美しい場所にある。
 応挙と芦雪、と題している通り、長沢芦雪とその師である円山応挙の二人展である。ふたりの作品を「人物」「花鳥」「山水」とテーマごとに対比して展示し、しかも前期(10/7~11/5)と後期(11/7~12/3)で相当の展示入れ替えがある。これは奈良県立美術館の規模と構造上の問題だと思うのだけれど、いちどきに見られないのはすごく残念。さらに、こぢんまりしたこの美術館は展示スペースのひとつひとつも小さく、作品を見るときに連続性が断ち切られてしまうような印象があった。それでも、芦雪や、たとえば伊藤若冲が好きだという人なら、一見の価値はあるだろう。
 応挙といわれてすぐに思い出すのは、いわゆる「幽霊図」で、「足のない幽霊を描いたのは(肉筆画では)応挙が最初」ともいわれている(諸説あるらしい)。しかし、今回は応挙の幽霊図は出ていない。芦雪の幽霊図は出ていて、こちらは世間一般に知られた優しげな応挙の幽霊図(「お雪の幻」)とは趣を異にした、おそろしげな幽霊だった。
 ともかくそういう風に応挙は「幽霊図」が有名だけれども、応挙は「写生」ということをとても重要視した画家である。作品を見てみれば、あわい色合いと筆遣いが親しみやすく、丁寧な印象をうける作品が多い。
 反して芦雪は、丁寧というよりはダイナミック、画面いっぱいにひろがるエネルギーを感じる作風である。
 けれども二人の作品から共通して感じられるのは、描く対象を見る画家の目のやさしさや厳しさといったもので、前者はとくに動物を描いたものから伝わってくる。二人とも、牛や子犬を題材にして絵を描いていて、これがまた愛らしくて思わずほおがゆるんでしまった。題材を見る画家のまなざしの真摯さがどちらの絵からも感じられ、それが二人の絵の息づかいとなっているのだろう。影響しあいながらそれぞれの絵を作り上げている、というふうにも思えた。
 それにしても、やっぱり芦雪はいい。
 また応挙の新たな魅力に引き込まれ、後期を見にいくべきかどうしようか、迷っているところだ。
 余談だけれど応挙の幽霊関連で、昔見た「居酒屋ゆうれい」という映画が今とても見たくなっている。

【応挙と芦雪】
 2006年10月7日(土)~12月3日(日)
 奈良県立美術館
 開館時間:午前9時~午後5時 金・土曜日は午後9時まで開館(入館は閉館の30分前まで)
 休館日:毎週月曜日(ただし10月9日(祝)は開館、10日(火)は休館)
2006.10.22 | Art: 芸術  
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