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Amazon.co.jp:タンノイのエジンバラ
 出会いは装丁からだった。
 こぢんまりと手のひらにおさまるほどの文庫本が、彩度の低い水色と黄色で塗り分けられている。その境界線には、茶色の線。水色と黄色の配分は水色:黄色 = 2:7くらいだろうか。

 決して澄み渡った空のような水色ではない。うすぐもりの、ぱっとしない空のような色。というより、その水色がそんな空に見えるのだ。その狭い空のようなスペースに「タンノイのエジンバラ」という白い字がちょっとだけ窮屈そうに、けれどどこか我関せずといった風情でおさまっている。

 『タンノイのエジンバラ』に収められている4つの短編の主人公たちも、その字のような存在だ。
 ぱっとしない生活、ぱっとしない自分。多少苛立つこともあるけれど、ぼんやりとそれなりに生活できてはいる。なんとなくちょっとだけおかしなことが起こり、これでいいのかなと思っているうちになんとなく終わる。
 でも、それでいいのだ。いや、それがいいのだ。
 そう思えてくるのは淡々とした語り口や、ちょっとなげやりではあるけれども完璧に投げてしまってはいない、ほどほどの投げやりさのおかげかもしれない。いいかげんな空気が心地よく侵入してくる。

 ユルい体勢で読みたい本。
2006.03.10 | Bookshelf: 本棚  
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