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Amazon.co.jp:アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
 第三次大戦後の放射能灰に汚染された地球を舞台とし、精密なアンドロイド、火星への移住などのSF要素がふんだんに盛り込まれながらも、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』はSFという枠にとどまってはいない。

 SFでありながらも「人間とは何か?」という問いを、人間とほとんど区別のつかない精密なアンドロイドという要素を用いることで、ディックはわたしたち読み手に突きつける。
 すなわち、端的に言えば「自分はアンドロイドか、人間か?」
 わたしたちは普段自分が人間と信じて生きており、その信奉のために人間だということを意識すらしないし、人間としてこの世に在ることを許されていると疑いもしない。だが、それは真実だろうか?真実であるかのように装った偽物かもしれないものを、いともたやすく信じ込んでしまっているだけではないのか。

 その問いをえぐりこんでくるのは、アンドロイドだけではない。
 人間自身もそうだ。人間でありながらも遺伝子的・知能的に不適格者の烙印を押され、人類の未来の担い手となることを拒否されて火星への移住を許されない「特殊者(スペシャル)」もまた、アンドロイドのように人間であることを否定された存在である。
 また、「神」という存在が人間のもつ共感能力の証明として、人間のよりどころとなっていることにも注目できる。その神がなにものであったか、も。

 単なるSFとしてはやや序盤が冗長だが、そこを超えて山場に差し掛かると息もつかせぬ展開を見せる。
 読み手によって評価はさまざまだろうと予測するけれども、SFという舞台をうまく活用した作者に喝采を送りたい。
2006.03.19 | Bookshelf: 本棚  
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