
恋愛って、なんでこんなにまどろっこしいんだろう。
一種の才能というか、向き不向きは絶対あると思う。
そして向いているかいないかで言えば、自分にはあんまり向いていないような気がしている。どろどろした愛憎劇、ましてや浮気なんかとは、できる限り縁のないところにいたい。というより、浮気をするだけのエネルギーもない、というのが自分の実情かもしれない。
だから、「銀行に行ってくる」と称して浮気にいそしむ中野さんなんかを見ていると、ただ「よくやるなあ」と感心するばかりだ。感心してどうする、という話だが、本当にどこからそんなエネルギーがわいてくるんだろう。わたしなんて、浮気することを考えただけで疲れるというのに。
「古道具 中野商店」は、骨董やアンティークというほど古くはなく、でも新品でもない、ほどよく古くさい(よく言えばレトロな)商品を扱うお店だ。
現代から見ると、ほんの少し変わった商品。そんなものたちがごった煮状態になって、お店にあふれている。そして中野商店とそのまわりの面々は、店主・中野さんをはじめ、中野さんのお姉さん・マサヨさん、バイトの「わたし」ことヒトミちゃんとタケオ、といった主だった人だけ抜き出してみても、微妙にどっかズレた人たちが集まっていておもしろい。
わたしには一生かかっても理解できなさそうな恋愛話が書かれていたりするわりに、なんだか親しみを感じてしまうのは、この「微妙なズレ感」のおかげかな、とふと思った。いや、自分がズレているかどうかという話ではなく、ふとした瞬間の心のささくれ・ズレなどが妙にリアルで。
「あー!いらいらする!」と何度も頭の中で思ったはずなのに、最後は心にすとん、と落ちる感じがした。
2008.03.12 | Bookshelf: 本棚




