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Amazon.co.jp:仮面の告白
 高校時代に読んだ本を、23のいま再読した。
 最初に読んだときはそのエロティックな表現に圧倒され、ただ呆然とするばかりであったのを覚えている。

 ともあれこれを書いているのは真夜中のことで、思考と言葉が断片化され散文的になってしまっていることをまずは断っておかなければならないだろう。
 『仮面の告白』は作者:三島由紀夫の自伝的性質をもつ小説、であるらしい。けれども自伝的要素を(もしかしたら)含んでいるものの、これは三島の自伝ではありえない。
 この小説の根底に一貫して流れている二律背反、アンビバレンスは、小説の「私」と三島自身にも適応され、三島自身についての輪郭を構成したかに見えてそのじつ、うまく隠されてしまっている。
 『仮面の告白』という逆説的なタイトルが、まさにその証明となっているのではないか。――白日のもとに露わにする「告白」と、それを覆う「仮面」という一見両立しないものの共存。
 さきに二律背反、アンビバレンスと書いたけれども、それはつまり相反する、あるいは矛盾する二つの対極的な感情や思考が同時に成り立つということである。
 作品の中でとりわけ目立っているのは、女性に対しての不能を克服しようとする感情と、男性の肉体に惹かれる感情との共存であるけれども、それが三島の実際かどうかは別として、おそらくは相反する感情を三島はその身に根として持っていたのであろう。
 そういう意味ではこの作品は三島自身ともいえる。同時に三島ではないともいえる。

 エロスとナルティシズムに満ちてはいるが、わかりやすいそれよりもむしろ陶酔の裏の冷徹な観察眼に鳥肌が立った。
2006.06.27 | Bookshelf: 本棚  
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