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Amazon.co.jp:雨あがる
 巨匠:黒澤明の映画を見たことがなく、彼の映画に思い入れのない状態で「雨あがる」を見たのは、わたしにとって幸運なことだった。
 黒澤明が脚本を手がけ(それは遺稿となってしまったが)、彼の没後に弟子がメガホンをとった作品である。だからどうしても「黒澤明」のかげがついてまわり、巨匠の映画に思いいれのある人は比較し、それが巨匠の作品ではないことに落胆するかもしれない。黒澤明はいまはもうこの世の人ではない。あたりまえのことであるが、それだけ彼が遺したものが大きかったということだろう。
 とはいえ、「雨あがる」はそういった先入観なしにみれば、これはこれで味わいのあるものだ。寺尾聰が演じる浪人者の主人公:三沢伊兵衛の、不器用で微妙なやさしさと情けなさそのままに、たんたんと、ゆっくりと物語がつむがれてゆく。
 しかし流れる川の水がときにかさをまして激しく、ときに穏やかに流れていくように、伊兵衛とその妻おたよの心のなかの微妙な動きが、はっきりとはわからないものの見てとれ、切ないようなやさしいような気持ちになった。
 伊兵衛はやさしい人であるけれども、やさしさだけでは人との関係や世渡りはうまくいかないものだ。うまくいかないが、最後まで見終わったとき、二人の背中と絶景とに、なぜだか「これでいいのだ」という一抹のすがすがしさを覚える。ちょうど、降りつづいた長雨があがるように。
 こちらの梅雨はまだあけないが、いつかあけるだろう。
 それまで雨でも、雨の苦しみがあっても、いつかあける。
2006.07.24 | Movie: 映画  
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